肌断食について
こんにちは。
最近、立て続けに肌断食中のお客様からお問い合わせなどを頂いたので、肌断食に対する私の考察を書いてみようかなと思います。
ご連絡頂いた方はいずれもお肌の調子がなかなか良くならないと悩んでいらっしゃいました。
お写真を送って下さった方もいらっしゃいましたが、お肌状態を拝見したところかなり負担がかかっているようでしたので、その方法に少し問題があるのかなと思いアドバイスさせて頂きました。
その前に肌断食とは、簡単に言うとスキンケアをやめること。洗浄剤やそれに含まれる界面活性剤などによるお肌の負担を減らし、またスキンケアをしないことで自分で潤う力…自肌力をつけるというものです。
その方法は少し曖昧で全てやめてしまうというものもあれば、少しのアイテムは使用し続けるものもあり、今回ご相談頂いた方は石鹸などは使用しつつ、保湿は一切なし、日中はミネラルファンデ等をつけるとのことでした。
例えば子どものお肌はターンオーバーがきちんとしていて丈夫な場合が多く、何もしなくても健やかなお肌を保っていますよね。
肌断食はスキンケアをしないことでそのような状態を目指そうというものですが、でもそれを大人のお肌にも当てはめようとするのは少しムリがあるのかなと私は思います。
やはり年齢を重ねたお肌はターンオーバーも遅くなっていますし、何より生活の中にお肌を痛める要因がたくさんあります。
食事やストレスなどの生活習慣もその一つですが、外的要因として大きなものは、紫外線と洗浄剤です。
肌断食でよく使われる石鹸は昔から使われているイメージから一見お肌に優しいように感じますが、洗浄力、脱脂力がとても強くお肌への負担が大きいアイテムの一つです。
そしてその後に保湿をしないことは更にお肌を痛める要因になり得ますし、潤いのない乾燥したお肌は紫外線の害も受けやすくなり、お肌を痛ませたり老化の原因にもつながります。
私は昨年の冬の大掃除で手袋なしで洗剤を使用してしまい保湿もしなかったためしばらく手荒れに悩まされました。
これは極端な例ですが、そのままその洗剤を素手で使用していても時間がたてばお肌が慣れて自然に潤うようになり手荒れが治るかと言ったらおそらく答えはノーです。
洗剤に直接触れないようにしたり、しっかりとした保湿をしない限りは改善は難しいでしょう。
お顔も一緒で保湿をしないのであれば石鹸もやめなくてはいけない、またはもっとお肌に優しい洗浄剤を選び最小限の保湿をする必要があるのではないでしょうか。
そして紫外線もお肌の潤いを奪いターンオーバーを乱れさせ、老化を促進させるため、日焼け止めを塗ることをやめてしまうこともまた本末転倒になると思います。
ですので、お肌を守るために日焼け止めまたはUVカット機能のあるファンデーションをつける(上記の方はミネラルファンデでしたが)…そうすると必然的にそれを落とすクレンジング剤のアイテムも必要になるわけです。
そして全てのクレンジング剤は界面活性剤が含まれていますし、お肌への負担がゼロという訳にはどうしてもいきません。
もちろん界面活性剤自体は悪いものではなく、オイルなどのクレンジング成分をお肌から落とすのに必要不可欠な成分です。クレンジングに界面活性剤が含まれなければ、クレンジング剤がお肌に残留してもっとお肌を痛ませる原因になります。
私自身としては今までエステティシャンをしていて化粧品を使用することやしないことで起こるお肌の変化の違いや、お肌に必要な成分を与えてあげることでお肌のトラブルが解消される例をたくさん見てきたので正しいスキンケアは必要だと思っています。
敏感肌や乾燥肌の場合はもともとのお肌に保湿成分のセラミドが少ないため尚更保湿等でいたわる必要も感じます。
それでもやっぱり肌断食をしたい場合は、保湿などのスキンケアをやめるより前に、石鹸やクレンジング料などの洗浄剤の見直しをするほうが良いと思います。
洗浄剤が汚れをきちんと落としながらもお肌に優しく潤いを取りすぎないものであれば、最低限の保湿で済みますし、いずれお肌が慣れてくればそれもやめられるかもしれません。
と言っても優秀な洗浄剤を選ぶことはなかなか難しいですよね。
今回肌断食をされていた方が「以前からお肌に優しいものを使用したのですが」と言って教えて下さったクレンジングは、実は洗浄力も強くお肌への残留性も高い成分でした。
また先日ショッピングモールに出かけた際にオーガニックを謳った素敵なパッケージの化粧品を見つけて何気なく洗顔料の成分を見てみたら、以前は使われていたもののその高い刺激性から今は化粧品にはほとんど使われなくなった洗浄成分が主成分として記載されていてとても驚きました。
パッケージなどの雰囲気や謳い文句だけでなく、内容成分やその化粧品メーカーコンセプト等もきちんと調べる必要があるのかなと思います。
女性はお肌の調子が良いだけでハッピーでいられるから、是非ご自分に合ったスキンケアのやり方を見つけてほしいなと思います。